万葉集4207番の原文、読み、作者、左注、事項をまとめます。
万葉集4207番について
歌番号
4207番
原文
此間尓之氐|曽我比尓所見|和我勢故我|垣都能谿尓|安氣左礼婆|榛之狭枝尓|暮左礼婆|藤之繁美尓|遥々尓|鳴霍公鳥|吾屋戸能|殖木橘|花尓知流|時乎麻<太>之美|伎奈加奈久|曽許波不怨|之可礼杼毛|谷可多頭伎氐|家居有|君之聞都々|追氣奈久毛宇之
訓読
ここにして|そがひに見ゆる|我が背子が|垣内の谷に|明けされば|榛のさ枝に|夕されば|藤の繁みに|はろはろに|鳴く霍公鳥|我が宿の|植木橘|花に散る|時をまだしみ|来鳴かなく|そこは恨みず|しかれども|谷片付きて|家居れる|君が聞きつつ|告げなくも憂し
かな読み
ここにして|そがひにみゆる|わがせこが|かきつのたにに|あけされば|はりのさえだに|ゆふされば|ふぢのしげみに|はろはろに|なくほととぎす|わがやどの|うゑきたちばな|はなにちる|ときをまだしみ|きなかなく|そこはうらみず|しかれども|たにかたづきて|いへをれる|きみがききつつ|つげなくもうし
カタカナ読み
ココニシテ|ソガヒニミユル|ワガセコガ|カキツノタニニ|アケサレバ|ハリノサエダニ|ユフサレバ|フヂノシゲミニ|ハロハロニ|ナクホトトギス|ワガヤドノ|ウヱキタチバナ|ハナニチル|トキヲマダシミ|キナカナク|ソコハウラミズ|シカレドモ|タニカタヅキテ|イヘヲレル|キミガキキツツ|ツゲナクモウシ
ローマ字読み|大文字
KOKONISHITE|SOGAHINIMIYURU|WAGASEKOGA|KAKITSUNOTANINI|AKESAREBA|HARINOSAEDANI|YUFUSAREBA|FUJINOSHIGEMINI|HAROHARONI|NAKUHOTOTOGISU|WAGAYADONO|UEKITACHIBANA|HANANICHIRU|TOKIOMADASHIMI|KINAKANAKU|SOKOHAURAMIZU|SHIKAREDOMO|TANIKATAZUKITE|IHEORERU|KIMIGAKIKITSUTSU|TSUGENAKUMOSHI
ローマ字読み|小文字
kokonishite|sogahinimiyuru|wagasekoga|kakitsunotanini|akesareba|harinosaedani|yufusareba|fujinoshigemini|haroharoni|nakuhototogisu|wagayadono|uekitachibana|hananichiru|tokiomadashimi|kinakanaku|sokohauramizu|shikaredomo|tanikatazukite|iheoreru|kimigakikitsutsu|tsugenakumoshi
左注|左註
特に無し
事項|分類・ジャンル
天平勝宝2年4月22日年紀|贈答|動物|植物|久米広縄|恋情
校異
短歌【西】短哥|多->太【類】
寛永版本
ここにして[寛],
そがひにみゆる,[寛]そかひにみゆる,
わがせこが,[寛]わかせこか,
かきつのたにに[寛],
あけされば,[寛]あけされは,
はりのさえだに,[寛]ならのさえたに,
ゆふされば,[寛]ゆふされは,
ふぢのしげみに,[寛]ふちのしけみに,
はろはろに,[寛]よりよりに,
なくほととぎす,[寛]なくほとときす,
わがやどの,[寛]わかやとの,
うゑきたちばな,[寛]うえきたちはな,
はなにちる[寛],
ときをまだしみ,[寛]ときをまたしみ,
きなかなく[寛],
そこはうらみず,[寛]そこはうらみす,
しかれども,[寛]しかれとも,
たにかたづきて,[寛]たにかたつきて,
いへをれる,[寛]いへゐせる,
きみがききつつ,[寛]きみかききつつ,
つげなくもうし,[寛]つけなくもうし,
巻数
第19巻
作者
大伴家持