万葉集3969番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集3969番の原文、読み、作者、左注、事項をまとめます。

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万葉集3969番について

歌番号

3969番

原文

於保吉民能|麻氣乃麻尓々々|之奈射加流|故之乎袁佐米尓|伊泥氐許之|麻須良和礼須良|余能奈可乃|都祢之奈家礼婆|宇知奈妣伎|登許尓己伊布之|伊多家苦乃|日異麻世婆|可奈之家口|許己尓思出|伊良奈家久|曽許尓念出|奈氣久蘇良|夜須<家>奈久尓|於母布蘇良|久流之伎母能乎|安之比紀能|夜麻伎敝奈里氐|多麻保許乃|美知能等保家<婆>|間使毛|遣縁毛奈美|於母保之吉|許等毛可欲波受|多麻伎波流|伊能知乎之家登|勢牟須辨能|多騰吉乎之良尓|隠居而|念奈氣加比|奈具佐牟流|許己呂波奈之尓|春花<乃>|佐家流左加里尓|於毛敷度知|多乎里可射佐受|波流乃野能|之氣美<登>妣久々|鴬|音太尓伎加受|乎登賣良我|春菜都麻須等|久礼奈為能|赤裳乃須蘇能|波流佐米尓|々保比々豆知弖|加欲敷良牟|時盛乎|伊多豆良尓|須具之夜里都礼|思努波勢流|君之心乎|宇流波之美|此夜須我浪尓|伊母祢受尓|今日毛之賣良尓|孤悲都追曽乎流

訓読

大君の|任けのまにまに|しなざかる|越を治めに|出でて来し|ますら我れすら|世間の|常しなければ|うち靡き|床に臥い伏し|痛けくの|日に異に増せば|悲しけく|ここに思ひ出|いらなけく|そこに思ひ出|嘆くそら|安けなくに|思ふそら|苦しきものを|あしひきの|山きへなりて|玉桙の|道の遠けば|間使も|遣るよしもなみ|思ほしき|言も通はず|たまきはる|命惜しけど|せむすべの|たどきを知らに|隠り居て|思ひ嘆かひ|慰むる|心はなしに|春花の|咲ける盛りに|思ふどち|手折りかざさず|春の野の|茂み飛び潜く|鴬の|声だに聞かず|娘子らが|春菜摘ますと|紅の|赤裳の裾の|春雨に|にほひひづちて|通ふらむ|時の盛りを|いたづらに|過ぐし遣りつれ|偲はせる|君が心を|うるはしみ|この夜すがらに|寐も寝ずに|今日もしめらに|恋ひつつぞ居る

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かな読み

おほきみの|まけのまにまに|しなざかる|こしををさめに|いでてこし|ますらわれすら|よのなかの|つねしなければ|うちなびき|とこにこいふし|いたけくの|ひにけにませば|かなしけく|ここにおもひで|いらなけく|そこにおもひで|なげくそら|やすけなくに|おもふそら|くるしきものを|あしひきの|やまきへなりて|たまほこの|みちのとほけば|まつかひも|やるよしもなみ|おもほしき|こともかよはず|たまきはる|いのちをしけど|せむすべの|たどきをしらに|こもりゐて|おもひなげかひ|なぐさむる|こころはなしに|はるはなの|さけるさかりに|おもふどち|たをりかざさず|はるののの|しげみとびくく|うぐひすの|こゑだにきかず|をとめらが|はるなつますと|くれなゐの|あかものすその|はるさめに|にほひひづちて|かよふらむ|ときのさかりを|いたづらに|すぐしやりつれ|しのはせる|きみがこころを|うるはしみ|このよすがらに|いもねずに|けふもしめらに|こひつつぞをる

カタカナ読み

オホキミノ|マケノマニマニ|シナザカル|コシヲヲサメニ|イデテコシ|マスラワレスラ|ヨノナカノ|ツネシナケレバ|ウチナビキ|トコニコイフシ|イタケクノ|ヒニケニマセバ|カナシケク|ココニオモヒデ|イラナケク|ソコニオモヒデ|ナゲクソラ|ヤスケナクニ|オモフソラ|クルシキモノヲ|アシヒキノ|ヤマキヘナリテ|タマホコノ|ミチノトホケバ|マツカヒモ|ヤルヨシモナミ|オモホシキ|コトモカヨハズ|タマキハル|イノチヲシケド|セムスベノ|タドキヲシラニ|コモリヰテ|オモヒナゲカヒ|ナグサムル|ココロハナシニ|ハルハナノ|サケルサカリニ|オモフドチ|タヲリカザサズ|ハルノノノ|シゲミトビクク|ウグヒスノ|コヱダニキカズ|ヲトメラガ|ハルナツマスト|クレナヰノ|アカモノスソノ|ハルサメニ|ニホヒヒヅチテ|カヨフラム|トキノサカリヲ|イタヅラニ|スグシヤリツレ|シノハセル|キミガココロヲ|ウルハシミ|コノヨスガラニ|イモネズニ|ケフモシメラニ|コヒツツゾヲル

ローマ字読み|大文字

OHOKIMINO|MAKENOMANIMANI|SHINAZAKARU|KOSHIOSAMENI|IDETEKOSHI|MASURAWARESURA|YONONAKANO|TSUNESHINAKEREBA|UCHINABIKI|TOKONIKOIFUSHI|ITAKEKUNO|HINIKENIMASEBA|KANASHIKEKU|KOKONIOMOHIDE|IRANAKEKU|SOKONIOMOHIDE|NAGEKUSORA|YASUKENAKUNI|OMOFUSORA|KURUSHIKIMONO|ASHIHIKINO|YAMAKIHENARITE|TAMAHOKONO|MICHINOTOHOKEBA|MATSUKAHIMO|YARUYOSHIMONAMI|OMOHOSHIKI|KOTOMOKAYOHAZU|TAMAKIHARU|INOCHIOSHIKEDO|SEMUSUBENO|TADOKIOSHIRANI|KOMORIITE|OMOHINAGEKAHI|NAGUSAMURU|KOKOROHANASHINI|HARUHANANO|SAKERUSAKARINI|OMOFUDOCHI|TAORIKAZASAZU|HARUNONONO|SHIGEMITOBIKUKU|UGUHISUNO|KOEDANIKIKAZU|OTOMERAGA|HARUNATSUMASUTO|KURENAINO|AKAMONOSUSONO|HARUSAMENI|NIHOHIHIZUCHITE|KAYOFURAMU|TOKINOSAKARIO|ITAZURANI|SUGUSHIYARITSURE|SHINOHASERU|KIMIGAKOKORO|URUHASHIMI|KONOYOSUGARANI|IMONEZUNI|KEFUMOSHIMERANI|KOHITSUTSUZORU

ローマ字読み|小文字

ohokimino|makenomanimani|shinazakaru|koshiosameni|idetekoshi|masurawaresura|yononakano|tsuneshinakereba|uchinabiki|tokonikoifushi|itakekuno|hinikenimaseba|kanashikeku|kokoniomohide|iranakeku|sokoniomohide|nagekusora|yasukenakuni|omofusora|kurushikimono|ashihikino|yamakihenarite|tamahokono|michinotohokeba|matsukahimo|yaruyoshimonami|omohoshiki|kotomokayohazu|tamakiharu|inochioshikedo|semusubeno|tadokioshirani|komoriite|omohinagekahi|nagusamuru|kokorohanashini|haruhanano|sakerusakarini|omofudochi|taorikazasazu|harunonono|shigemitobikuku|uguhisuno|koedanikikazu|otomeraga|harunatsumasuto|kurenaino|akamonosusono|harusameni|nihohihizuchite|kayofuramu|tokinosakario|itazurani|sugushiyaritsure|shinohaseru|kimigakokoro|uruhashimi|konoyosugarani|imonezuni|kefumoshimerani|kohitsutsuzoru

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左注|左註

三月三日大伴宿祢家持

事項|分類・ジャンル

天平19年3月3日年紀|贈答|大伴池主書簡|枕詞|動物|恋情|悲嘆|高岡|富山

校異

歌【西】謌|恩【天】(塙)思|思(塙)恩|未春->来眷【万葉集略解】|于->乎【元】【紀】【細】|于->乎【元】【紀】【細】|因->固【元】|家久【西(右書)】->家【元】【紀】|波->婆【元】|之->乃【元】【細】|豆->登【元】【紀】

寛永版本

おほきみの[寛],
まけのまにまに[寛],
しなざかる,[寛]しなさかる,
こしををさめに[寛],
いでてこし,[寛]いててこし,
ますらわれすら[寛],
よのなかの[寛],
つねしなければ,[寛]つねしなけれは,
うちなびき,[寛]うちなひき,
とこにこいふし[寛],
いたけくの[寛],
ひにけにませば,[寛]ひにけにませは,
かなしけく[寛],
ここにおもひで,[寛]ここにおもひて,
いらなけく[寛],
そこにおもひで,[寛]そこにおもひいて,
なげくそら,[寛]なけくそら,
やすけなくに[寛],
おもふそら[寛],
くるしきものを[寛],
あしひきの[寛],
やまきへなりて[寛],
たまほこの[寛],
みちのとほけば,[寛]みちのとほけは,
まつかひも[寛],
やるよしもなみ[寛],
おもほしき[寛],
こともかよはず,[寛]こともかよはす,
たまきはる[寛],
いのちをしけど,[寛]いのちをしけと,
せむすべの,[寛]せむすへの,
たどきをしらに,[寛]たときをしらに,
こもりゐて[寛],
おもひなげかひ,[寛]おもひなけかひ,
なぐさむる,[寛]なくさむる,
こころはなしに[寛],
はるはなの[寛],
さけるさかりに[寛],
おもふどち,[寛]おもふとち,
たをりかざさず,[寛]たをりかささす,
はるののの[寛],
しげみとびくく,[寛]しけみとひくく,
うぐひすの,[寛]うくひすの,
こゑだにきかず,[寛]こゑたにきかす,
をとめらが,[寛]をとめらか,
はるなつますと,[寛]わかなくますと,
くれなゐの[寛],
あかものすその[寛],
はるさめに[寛],
にほひひづちて,[寛]にほひひつちて,
かよふらむ[寛],
ときのさかりを[寛],
いたづらに,[寛]いたつらに,
すぐしやりつれ,[寛]すくしやりつれ,
しのはせる[寛],
きみがこころを,[寛]きみかこころを,
うるはしみ,[寛]むるはしみ,
このよすがらに,[寛]このよすからに,
いもねずに,[寛]いもねすに,
けふもしめらに[寛],
こひつつぞをる,[寛]こひつつそをる,

巻数

第17巻

作者

大伴家持