万葉集260番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。
万葉集260番について
歌番号
260番
原文
天降就|神乃香山|打靡|春去来者|櫻花|木暗茂|松風丹|池浪飆|邊都遍者|阿遅村動|奥邊者|鴨妻喚|百式乃|大宮人乃|去出|榜来舟者|竿梶母|無而佐夫之毛|榜与雖思
訓読
天降りつく|神の香具山|うち靡く|春さり来れば|桜花|木の暗茂に|松風に|池波立ち|辺つ辺には|あぢ群騒き|沖辺には|鴨妻呼ばひ|ももしきの|大宮人の|退り出て|漕ぎける船は|棹楫も|なくて寂しも|漕がむと思へど
かな読み
あもりつく|かみのかぐやま|うちなびく|はるさりくれば|さくらばな|このくれしげに|まつかぜに|いけなみたち|へつへには|あぢむらさわき|おきへには|かもつまよばひ|ももしきの|おほみやひとの|まかりでて|こぎけるふねは|さをかぢも|なくてさぶしも|こがむとおもへど
カタカナ読み
アモリツク|カミノカグヤマ|ウチナビク|ハルサリクレバ|サクラバナ|コノクレシゲニ|マツカゼニ|イケナミタチ|ヘツヘニハ|アヂムラサワキ|オキヘニハ|カモツマヨバヒ|モモシキノ|オホミヤヒトノ|マカリデテ|コギケルフネハ|サヲカヂモ|ナクテサブシモ|コガムトオモヘド
ローマ字読み|大文字
AMORITSUKU|KAMINOKAGUYAMA|UCHINABIKU|HARUSARIKUREBA|SAKURABANA|KONOKURESHIGENI|MATSUKAZENI|IKENAMITACHI|HETSUHENIHA|AJIMURASAWAKI|OKIHENIHA|KAMOTSUMAYOBAHI|MOMOSHIKINO|OHOMIYAHITONO|MAKARIDETE|KOGIKERUFUNEHA|SAOKAJIMO|NAKUTESABUSHIMO|KOGAMUTOMOHEDO
ローマ字読み|小文字
amoritsuku|kaminokaguyama|uchinabiku|harusarikureba|sakurabana|konokureshigeni|matsukazeni|ikenamitachi|hetsuheniha|ajimurasawaki|okiheniha|kamotsumayobahi|momoshikino|ohomiyahitono|makaridete|kogikerufuneha|saokajimo|nakutesabushimo|kogamutomohedo
左注|左註
右今案|遷都寧樂之後怜舊作此歌歟
事項|分類・ジャンル
雑歌|哀惜|荒都歌|高市皇子|飛鳥|地名
校異
歌【西】謌
寛永版本
あもりつく[寛],
かみのかぐやま,[寛]かみのかくやま,
うちなびく,[寛]うちなひき,
はるさりくれば,[寛]はるさりくれは,
さくらばな,[寛]さくらはな,
このくれしげに,[寛]このくれしけに,
まつかぜに,[寛]まつかせに,
いけなみたち,[寛]いけなみたちて,
へつへには[寛],
あぢむらさわき,[寛]あちむらさわき,
おきへには[寛],
かもつまよばひ,[寛]かもめよはひて,
ももしきの[寛],
おほみやひとの[寛],
まかりでて,[寛]ゆきいてて,
こぎけるふねは,[寛]こきこしふねは,
さをかぢも,[寛]さをかちも,
なくてさぶしも,[寛]なくてさふしも,
こがむとおもへど,[寛]こかむとおもへと,
巻数
第3巻
作者
鴨足人