万葉集4177番の原文、読み、作者、左注、事項をまとめます。
万葉集4177番について
歌番号
4177番
原文
和我勢故等|手携而|暁来者|出立向|暮去者|授放見都追|念<暢>|見奈疑之山尓|八峯尓波|霞多奈婢伎|谿敝尓波|海石榴花咲|宇良悲|春之過者|霍公鳥|伊也之伎喧奴|獨耳|聞婆不怜毛|君与吾|隔而戀流|利波山|飛超去而|明立者|松之狭枝尓|暮去者|向月而|菖蒲|玉貫麻泥尓|鳴等余米|安寐不令宿|君乎奈夜麻勢
訓読
我が背子と|手携はりて|明けくれば|出で立ち向ひ|夕されば|振り放け見つつ|思ひ延べ|見なぎし山に|八つ峰には|霞たなびき|谷辺には|椿花咲き|うら悲し|春し過ぐれば|霍公鳥|いやしき鳴きぬ|独りのみ|聞けば寂しも|君と我れと|隔てて恋ふる|砺波山|飛び越え行きて|明け立たば|松のさ枝に|夕さらば|月に向ひて|あやめぐさ|玉貫くまでに|鳴き響め|安寐寝しめず|君を悩ませ
かな読み
わがせこと|てたづさはりて|あけくれば|いでたちむかひ|ゆふされば|ふりさけみつつ|おもひのべ|みなぎしやまに|やつをには|かすみたなびき|たにへには|つばきはなさき|うらがなし|はるしすぐれば|ほととぎす|いやしきなきぬ|ひとりのみ|きけばさぶしも|きみとあれと|へだててこふる|となみやま|とびこえゆきて|あけたたば|まつのさえだに|ゆふさらば|つきにむかひて|あやめぐさ|たまぬくまでに|なきとよめ|やすいねしめず|きみをなやませ
カタカナ読み
ワガセコト|テタヅサハリテ|アケクレバ|イデタチムカヒ|ユフサレバ|フリサケミツツ|オモヒノベ|ミナギシヤマニ|ヤツヲニハ|カスミタナビキ|タニヘニハ|ツバキハナサキ|ウラガナシ|ハルシスグレバ|ホトトギス|イヤシキナキヌ|ヒトリノミ|キケバサブシモ|キミトアレト|ヘダテテコフル|トナミヤマ|トビコエユキテ|アケタタバ|マツノサエダニ|ユフサラバ|ツキニムカヒテ|アヤメグサ|タマヌクマデニ|ナキトヨメ|ヤスイネシメズ|キミヲナヤマセ
ローマ字読み|大文字
WAGASEKOTO|TETAZUSAHARITE|AKEKUREBA|IDETACHIMUKAHI|YUFUSAREBA|FURISAKEMITSUTSU|OMOHINOBE|MINAGISHIYAMANI|YATSUONIHA|KASUMITANABIKI|TANIHENIHA|TSUBAKIHANASAKI|URAGANASHI|HARUSHISUGUREBA|HOTOTOGISU|IYASHIKINAKINU|HITORINOMI|KIKEBASABUSHIMO|KIMITOARETO|HEDATETEKOFURU|TONAMIYAMA|TOBIKOEYUKITE|AKETATABA|MATSUNOSAEDANI|YUFUSARABA|TSUKINIMUKAHITE|AYAMEGUSA|TAMANUKUMADENI|NAKITOYOME|YASUINESHIMEZU|KIMIONAYAMASE
ローマ字読み|小文字
wagasekoto|tetazusaharite|akekureba|idetachimukahi|yufusareba|furisakemitsutsu|omohinobe|minagishiyamani|yatsuoniha|kasumitanabiki|taniheniha|tsubakihanasaki|uraganashi|harushisugureba|hototogisu|iyashikinakinu|hitorinomi|kikebasabushimo|kimitoareto|hedatetekofuru|tonamiyama|tobikoeyukite|aketataba|matsunosaedani|yufusaraba|tsukinimukahite|ayamegusa|tamanukumadeni|nakitoyome|yasuineshimezu|kimionayamase
左注|左註
特に無し
事項|分類・ジャンル
天平勝宝2年4月3日年紀|贈答|大伴池主|動物|植物|恋情|戯笑|懐旧|高岡|富山
校異
鴨->暢【元】【類】
寛永版本
わがせこと,[寛]わかせこと,
てたづさはりて,[寛]てたつさはりて,
あけくれば,[寛]あけくれは,
いでたちむかひ,[寛]いてたちむかひ,
ゆふされば,[寛]ゆふされは,
ふりさけみつつ[寛],
おもひのべ,[寛]おもふかも,
みなぎしやまに,[寛]みなきしやまに,
やつをには[寛],
かすみたなびき,[寛]かすみたなひき,
たにへには[寛],
つばきはなさき,[寛]つはきはなさき,
うらがなし,[寛]うらかなし,
はるしすぐれば,[寛]はるしすくれは,
ほととぎす,[寛]ほとときす,
いやしきなきぬ[寛],
ひとりのみ[寛],
きけばさぶしも,[寛]きけはさひしも,
きみとあれと,[寛]きみとわれ,
へだててこふる,[寛]へたててこふる,
となみやま[寛],
とびこえゆきて,[寛]とひこえゆきて,
あけたたば,[寛]あけたては,
まつのさえだに,[寛]まつのさえたに,
ゆふさらば,[寛]ゆふされは,
つきにむかひて[寛],
あやめぐさ,[寛]あやめくさ,
たまぬくまでに,[寛]たまぬくまてに,
なきとよめ[寛],
やすいねしめず,[寛]やすいしなさて,
きみをなやませ[寛],
巻数
第19巻
作者
大伴家持