万葉集4166番の原文、読み、作者、左注、事項をまとめます。
万葉集4166番について
歌番号
4166番
原文
毎時尓|伊夜目都良之久|八千種尓|草木花左伎|喧鳥乃|音毛更布|耳尓聞|眼尓視其等尓|宇知嘆|之奈要宇良夫礼|之努比都追|有争波之尓|許能久礼<能>|四月之立者|欲其母理尓|鳴霍公鳥|従古昔|可多<里>都藝都流|鴬之|宇都之真子可母|菖蒲|花橘乎|D嬬良我|珠貫麻泥尓|赤根刺|晝波之賣良尓|安之比奇乃|八丘飛超|夜干玉<乃>|夜者須我良尓|暁|月尓向而|徃還|喧等余牟礼杼|何如将飽足
訓読
時ごとに|いやめづらしく|八千種に|草木花咲き|鳴く鳥の|声も変らふ|耳に聞き|目に見るごとに|うち嘆き|萎えうらぶれ|偲ひつつ|争ふはしに|木の暗の|四月し立てば|夜隠りに|鳴く霍公鳥|いにしへゆ|語り継ぎつる|鴬の|現し真子かも|あやめぐさ|花橘を|娘子らが|玉貫くまでに|あかねさす|昼はしめらに|あしひきの|八つ峰飛び越え|ぬばたまの|夜はすがらに|暁の|月に向ひて|行き帰り|鳴き響むれど|なにか飽き足らむ
かな読み
ときごとに|いやめづらしく|やちくさに|くさきはなさき|なくとりの|こゑもかはらふ|みみにきき|めにみるごとに|うちなげき|しなえうらぶれ|しのひつつ|あらそふはしに|このくれの|うづきしたてば|よごもりに|なくほととぎす|いにしへゆ|かたりつぎつる|うぐひすの|うつしまこかも|あやめぐさ|はなたちばなを|をとめらが|たまぬくまでに|あかねさす|ひるはしめらに|あしひきの|やつをとびこえ|ぬばたまの|よるはすがらに|あかときの|つきにむかひて|ゆきがへり|なきとよむれど|なにかあきだらむ
カタカナ読み
トキゴトニ|イヤメヅラシク|ヤチクサニ|クサキハナサキ|ナクトリノ|コヱモカハラフ|ミミニキキ|メニミルゴトニ|ウチナゲキ|シナエウラブレ|シノヒツツ|アラソフハシニ|コノクレノ|ウヅキシタテバ|ヨゴモリニ|ナクホトトギス|イニシヘユ|カタリツギツル|ウグヒスノ|ウツシマコカモ|アヤメグサ|ハナタチバナヲ|ヲトメラガ|タマヌクマデニ|アカネサス|ヒルハシメラニ|アシヒキノ|ヤツヲトビコエ|ヌバタマノ|ヨルハスガラニ|アカトキノ|ツキニムカヒテ|ユキガヘリ|ナキトヨムレド|ナニカアキダラム
ローマ字読み|大文字
TOKIGOTONI|IYAMEZURASHIKU|YACHIKUSANI|KUSAKIHANASAKI|NAKUTORINO|KOEMOKAHARAFU|MIMINIKIKI|MENIMIRUGOTONI|UCHINAGEKI|SHINAEURABURE|SHINOHITSUTSU|ARASOFUHASHINI|KONOKURENO|UZUKISHITATEBA|YOGOMORINI|NAKUHOTOTOGISU|INISHIHEYU|KATARITSUGITSURU|UGUHISUNO|UTSUSHIMAKOKAMO|AYAMEGUSA|HANATACHIBANAO|OTOMERAGA|TAMANUKUMADENI|AKANESASU|HIRUHASHIMERANI|ASHIHIKINO|YATSUOTOBIKOE|NUBATAMANO|YORUHASUGARANI|AKATOKINO|TSUKINIMUKAHITE|YUKIGAHERI|NAKITOYOMUREDO|NANIKAAKIDARAMU
ローマ字読み|小文字
tokigotoni|iyamezurashiku|yachikusani|kusakihanasaki|nakutorino|koemokaharafu|miminikiki|menimirugotoni|uchinageki|shinaeurabure|shinohitsutsu|arasofuhashini|konokureno|uzukishitateba|yogomorini|nakuhototogisu|inishiheyu|kataritsugitsuru|uguhisuno|utsushimakokamo|ayamegusa|hanatachibanao|otomeraga|tamanukumadeni|akanesasu|hiruhashimerani|ashihikino|yatsuotobikoe|nubatamano|yoruhasugarani|akatokino|tsukinimukahite|yukigaheri|nakitoyomuredo|nanikaakidaramu
左注|左註
右廿日雖未及時依興預作也
事項|分類・ジャンル
天平勝宝2年3月20日年紀|動物|依興|予作|預作|植物|高岡|富山
校異
罷->能【万葉集略解】|理->里【元】【類】|之->乃【元】【類】
寛永版本
ときごとに,[寛]ときことに,
いやめづらしく,[寛]いやめつらしく,
やちくさに[寛],
くさきはなさき[寛],
なくとりの[寛],
こゑもかはらふ[寛],
みみにきき[寛],
めにみるごとに,[寛]めにみることに,
うちなげき,[寛]うちなけき,
しなえうらぶれ,[寛]しなゆうらふれ,
しのひつつ[寛],
あらそふはしに[寛],
このくれの,[寛]このくれやみ,
うづきしたてば,[寛]うつきしたては,
よごもりに,[寛]よこもりに,
なくほととぎす,[寛]なくほとときす,
いにしへゆ,[寛]むかしより,
かたりつぎつる,[寛]かたりつきつる,
うぐひすの,[寛]うくひすの,
うつしまこかも[寛],
あやめぐさ,[寛]あやめくさ,
はなたちばなを,[寛]はなたちはなを,
をとめらが,[寛]をとめらか,
たまぬくまでに,[寛]たまぬくまてに,
あかねさす[寛],
ひるはしめらに[寛],
あしひきの[寛],
やつをとびこえ,[寛]やつをとひこえ,
ぬばたまの,[寛]ぬはたまの,
よるはすがらに,[寛]よるはすからに,
あかときの,[寛]あかつきの,
つきにむかひて[寛],
ゆきがへり,[寛]ゆきかへり,
なきとよむれど,[寛]なきとよむれと,
なにかあきだらむ,[寛]いかかあきたらむ,
巻数
第19巻
作者
大伴家持