万葉集4106番の原文、読み、作者、左注、事項をまとめます。
万葉集4106番について
歌番号
4106番
原文
於保奈牟知|須久奈比古奈野|神代欲里|伊比都藝家良<久>|父母乎|見波多布刀久|妻子見波|可奈之久米具之|宇都世美能|余乃許等和利止|可久佐末尓|伊比家流物能乎|世人能|多都流許等太弖|知左能花|佐家流沙加利尓|波之吉余之|曽能都末能古等|安沙余比尓|恵美々恵末須毛|宇知奈氣支|可多里家末久波|等己之部尓|可久之母安良米也|天地能|可未許等余勢天|春花能|佐可里裳安良<牟等>|<末>多之家牟|等吉能沙加利曽|波<奈礼>居弖|奈介可須移母我|何時可毛|都可比能許牟等|末多須良<无>|心左夫之苦|南吹|雪消益而|射水河|流水沫能|余留弊奈美|左夫流其兒尓|比毛能緒能|移都我利安比弖|尓保騰里能|布多理雙坐|那呉能宇美能|於支乎布可米天|左度波世流|支美我許己呂能|須敝母須敝奈佐|[言佐夫流者遊行女婦之字也]
訓読
大汝|少彦名の|神代より|言ひ継ぎけらく|父母を|見れば貴く|妻子見れば|かなしくめぐし|うつせみの|世のことわりと|かくさまに|言ひけるものを|世の人の|立つる言立て|ちさの花|咲ける盛りに|はしきよし|その妻の子と|朝夕に|笑みみ笑まずも|うち嘆き|語りけまくは|とこしへに|かくしもあらめや|天地の|神言寄せて|春花の|盛りもあらむと|待たしけむ|時の盛りぞ|離れ居て|嘆かす妹が|いつしかも|使の来むと|待たすらむ|心寂しく|南風吹き|雪消溢りて|射水川|流る水沫の|寄る辺なみ|左夫流その子に|紐の緒の|いつがり合ひて|にほ鳥の|ふたり並び居|奈呉の海の|奥を深めて|さどはせる|君が心の|すべもすべなさ|[言佐夫流者遊行女婦之字也]
かな読み
おほなむち|すくなびこなの|かむよより|いひつぎけらく|ちちははを|みればたふとく|めこみれば|かなしくめぐし|うつせみの|よのことわりと|かくさまに|いひけるものを|よのひとの|たつることだて|ちさのはな|さけるさかりに|はしきよし|そのつまのこと|あさよひに|ゑみみゑまずも|うちなげき|かたりけまくは|とこしへに|かくしもあらめや|あめつちの|かみことよせて|はるはなの|さかりもあらむと|またしけむ|ときのさかりぞ|はなれゐて|なげかすいもが|いつしかも|つかひのこむと|またすらむ|こころさぶしく|みなみふき|ゆきげはふりて|いみづかは|ながるみなわの|よるへなみ|さぶるそのこに|ひものをの|いつがりあひて|にほどりの|ふたりならびゐ|なごのうみの|おきをふかめて|さどはせる|きみがこころの|すべもすべなさ
カタカナ読み
オホナムチ|スクナビコナノ|カムヨヨリ|イヒツギケラク|チチハハヲ|ミレバタフトク|メコミレバ|カナシクメグシ|ウツセミノ|ヨノコトワリト|カクサマニ|イヒケルモノヲ|ヨノヒトノ|タツルコトダテ|チサノハナ|サケルサカリニ|ハシキヨシ|ソノツマノコト|アサヨヒニ|ヱミミヱマズモ|ウチナゲキ|カタリケマクハ|トコシヘニ|カクシモアラメヤ|アメツチノ|カミコトヨセテ|ハルハナノ|サカリモアラムト|マタシケム|トキノサカリゾ|ハナレヰテ|ナゲカスイモガ|イツシカモ|ツカヒノコムト|マタスラム|ココロサブシク|ミナミフキ|ユキゲハフリテ|イミヅカハ|ナガルミナワノ|ヨルヘナミ|サブルソノコニ|ヒモノヲノ|イツガリアヒテ|ニホドリノ|フタリナラビヰ|ナゴノウミノ|オキヲフカメテ|サドハセル|キミガココロノ|スベモスベナサ
ローマ字読み|大文字
OHONAMUCHI|SUKUNABIKONANO|KAMUYOYORI|IHITSUGIKERAKU|CHICHIHAHAO|MIREBATAFUTOKU|MEKOMIREBA|KANASHIKUMEGUSHI|UTSUSEMINO|YONOKOTOWARITO|KAKUSAMANI|IHIKERUMONO|YONOHITONO|TATSURUKOTODATE|CHISANOHANA|SAKERUSAKARINI|HASHIKIYOSHI|SONOTSUMANOKOTO|ASAYOHINI|EMIMIEMAZUMO|UCHINAGEKI|KATARIKEMAKUHA|TOKOSHIHENI|KAKUSHIMOARAMEYA|AMETSUCHINO|KAMIKOTOYOSETE|HARUHANANO|SAKARIMOARAMUTO|MATASHIKEMU|TOKINOSAKARIZO|HANAREITE|NAGEKASUIMOGA|ITSUSHIKAMO|TSUKAHINOKOMUTO|MATASURAMU|KOKOROSABUSHIKU|MINAMIFUKI|YUKIGEHAFURITE|IMIZUKAHA|NAGARUMINAWANO|YORUHENAMI|SABURUSONOKONI|HIMONONO|ITSUGARIAHITE|NIHODORINO|FUTARINARABII|NAGONOMINO|OKIOFUKAMETE|SADOHASERU|KIMIGAKOKORONO|SUBEMOSUBENASA
ローマ字読み|小文字
ohonamuchi|sukunabikonano|kamuyoyori|ihitsugikeraku|chichihahao|mirebatafutoku|mekomireba|kanashikumegushi|utsusemino|yonokotowarito|kakusamani|ihikerumono|yonohitono|tatsurukotodate|chisanohana|sakerusakarini|hashikiyoshi|sonotsumanokoto|asayohini|emimiemazumo|uchinageki|katarikemakuha|tokoshiheni|kakushimoarameya|ametsuchino|kamikotoyosete|haruhanano|sakarimoaramuto|matashikemu|tokinosakarizo|hanareite|nagekasuimoga|itsushikamo|tsukahinokomuto|matasuramu|kokorosabushiku|minamifuki|yukigehafurite|imizukaha|nagaruminawano|yoruhenami|saburusonokoni|himonono|itsugariahite|nihodorino|futarinarabii|nagonomino|okiofukamete|sadohaseru|kimigakokorono|subemosubenasa
左注|左註
右五月十五日守大伴宿祢家持作之
事項|分類・ジャンル
天平感宝1年5月15日年紀|教喩|律令|高岡|富山|尾張少咋|儒教|地名|木津
校異
奇->弃【元】【紀】【細】|奇->弃【元】【紀】【細】|奇->弃【元】【紀】【細】|之->久【万葉集略解】|->牟等【代匠記精撰本】|->末【代匠記精撰本】|->奈礼【代匠記精撰本】|無->无【元】【紀】【細】
寛永版本
おほなむち[寛],
すくなびこなの,[寛]すくなひこなの,
かむよより,[寛]かみよより,
いひつぎけらく,[寛]いひつきけらし,
ちちははを[寛],
みればたふとく,[寛]みれはたふとく,
めこみれば,[寛]めこみれは,
かなしくめぐし,[寛]かなしくめくし,
うつせみの[寛],
よのことわりと[寛],
かくさまに[寛],
いひけるものを[寛],
よのひとの[寛],
たつることだて,[寛]たつることたて,
ちさのはな[寛],
さけるさかりに[寛],
はしきよし[寛],
そのつまのこと,[寛]そのつまのこら,
あさよひに[寛],
ゑみみゑまずも,[寛]ゑみみゑますも,
うちなげき,[寛]うちなけき,
かたりけまくは[寛],
とこしへに[寛],
かくしもあらめや[寛],
あめつちの[寛],
かみことよせて[寛],
はるはなの[寛],
さかりもあらむと,[寛]さかりもあらたしけむ,
またしけむ,
ときのさかりぞ,[寛]ときのさかりそ,
はなれゐて,[寛]なみをりて,
なげかすいもが,[寛]なけかすいもか,
いつしかも[寛],
つかひのこむと[寛],
またすらむ[寛],
こころさぶしく,[寛]こころさふしく,
みなみふき,[寛]みなみかせ,
ゆきげはふりて,[寛]ゆききえまして,
いみづかは,[寛]いみつかは,
ながるみなわの,[寛]なかるみなわの,
よるへなみ[寛],
さぶるそのこに,[寛]さふるそのこに,
ひものをの[寛],
いつがりあひて,[寛]いつかりあひて,
にほどりの,[寛]にほとりの,
ふたりならびゐ,[寛]ふたりならひゐ,
なごのうみの,[寛]なこのうみの,
おきをふかめて[寛],
さどはせる,[寛]さとはせる,
きみがこころの,[寛]きみかこころの,
すべもすべなさ,[寛]すへもすへなさ,
巻数
第18巻
作者
大伴家持