万葉集3962番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集3962番の原文、読み、作者、左注、事項をまとめます。

スポンサーリンク

万葉集3962番について

歌番号

3962番

原文

大王能|麻氣能麻尓々々|大夫之|情布里於許之|安思比奇能|山坂古延弖|安麻射加流|比奈尓久太理伎|伊伎太尓毛|伊麻太夜須米受|年月毛|伊久良母阿良奴尓|宇<都>世美能|代人奈礼婆|宇知奈妣吉|等許尓許伊布之|伊多家苦之|日異益|多良知祢乃|<波>々能美許等乃|大船乃|由久良々々々尓|思多呉非尓|伊都可聞許武等|麻多須良牟|情左夫之苦|波之吉与志|都麻能美許登母|安氣久礼婆|門尓餘里多知|己呂母泥乎|遠理加敝之都追|由布佐礼婆|登許宇知波良比|奴婆多麻能|黒髪之吉氐|伊都之加登|奈氣可須良牟曽|伊母毛勢母|和可伎兒等毛<波>|乎知許知尓|佐和吉奈久良牟|多麻保己能|美知乎多騰保弥|間使毛|夜流余之母奈之|於母保之伎|許登都氐夜良受|孤布流尓思|情波母要奴|多麻伎波流|伊乃知乎之家騰|世牟須辨能|多騰伎乎之良尓|加苦思氐也|安良志乎須良尓|奈氣枳布勢良武

訓読

大君の|任けのまにまに|大夫の|心振り起し|あしひきの|山坂越えて|天離る|鄙に下り来|息だにも|いまだ休めず|年月も|いくらもあらぬに|うつせみの|世の人なれば|うち靡き|床に臥い伏し|痛けくし|日に異に増さる|たらちねの|母の命の|大船の|ゆくらゆくらに|下恋に|いつかも来むと|待たすらむ|心寂しく|はしきよし|妻の命も|明けくれば|門に寄り立ち|衣手を|折り返しつつ|夕されば|床打ち払ひ|ぬばたまの|黒髪敷きて|いつしかと|嘆かすらむぞ|妹も兄も|若き子どもは|をちこちに|騒き泣くらむ|玉桙の|道をた遠み|間使も|遺るよしもなし|思ほしき|言伝て遣らず|恋ふるにし|心は燃えぬ|たまきはる|命惜しけど|為むすべの|たどきを知らに|かくしてや|荒し男すらに|嘆き伏せらむ

スポンサーリンク

かな読み

おほきみの|まけのまにまに|ますらをの|こころふりおこし|あしひきの|やまさかこえて|あまざかる|ひなにくだりき|いきだにも|いまだやすめず|としつきも|いくらもあらぬに|うつせみの|よのひとなれば|うちなびき|とこにこいふし|いたけくし|ひにけにまさる|たらちねの|ははのみことの|おほぶねの|ゆくらゆくらに|したごひに|いつかもこむと|またすらむ|こころさぶしく|はしきよし|つまのみことも|あけくれば|かどによりたち|ころもでを|をりかへしつつ|ゆふされば|とこうちはらひ|ぬばたまの|くろかみしきて|いつしかと|なげかすらむぞ|いももせも|わかきこどもは|をちこちに|さわきなくらむ|たまほこの|みちをたどほみ|まつかひも|やるよしもなし|おもほしき|ことつてやらず|こふるにし|こころはもえぬ|たまきはる|いのちをしけど|せむすべの|たどきをしらに|かくしてや|あらしをすらに|なげきふせらむ

カタカナ読み

オホキミノ|マケノマニマニ|マスラヲノ|ココロフリオコシ|アシヒキノ|ヤマサカコエテ|アマザカル|ヒナニクダリキ|イキダニモ|イマダヤスメズ|トシツキモ|イクラモアラヌニ|ウツセミノ|ヨノヒトナレバ|ウチナビキ|トコニコイフシ|イタケクシ|ヒニケニマサル|タラチネノ|ハハノミコトノ|オホブネノ|ユクラユクラニ|シタゴヒニ|イツカモコムト|マタスラム|ココロサブシク|ハシキヨシ|ツマノミコトモ|アケクレバ|カドニヨリタチ|コロモデヲ|ヲリカヘシツツ|ユフサレバ|トコウチハラヒ|ヌバタマノ|クロカミシキテ|イツシカト|ナゲカスラムゾ|イモモセモ|ワカキコドモハ|ヲチコチニ|サワキナクラム|タマホコノ|ミチヲタドホミ|マツカヒモ|ヤルヨシモナシ|オモホシキ|コトツテヤラズ|コフルニシ|ココロハモエヌ|タマキハル|イノチヲシケド|セムスベノ|タドキヲシラニ|カクシテヤ|アラシヲスラニ|ナゲキフセラム

ローマ字読み|大文字

OHOKIMINO|MAKENOMANIMANI|MASURAONO|KOKOROFURIOKOSHI|ASHIHIKINO|YAMASAKAKOETE|AMAZAKARU|HINANIKUDARIKI|IKIDANIMO|IMADAYASUMEZU|TOSHITSUKIMO|IKURAMOARANUNI|UTSUSEMINO|YONOHITONAREBA|UCHINABIKI|TOKONIKOIFUSHI|ITAKEKUSHI|HINIKENIMASARU|TARACHINENO|HAHANOMIKOTONO|OHOBUNENO|YUKURAYUKURANI|SHITAGOHINI|ITSUKAMOKOMUTO|MATASURAMU|KOKOROSABUSHIKU|HASHIKIYOSHI|TSUMANOMIKOTOMO|AKEKUREBA|KADONIYORITACHI|KOROMODEO|ORIKAHESHITSUTSU|YUFUSAREBA|TOKOCHIHARAHI|NUBATAMANO|KUROKAMISHIKITE|ITSUSHIKATO|NAGEKASURAMUZO|IMOMOSEMO|WAKAKIKODOMOHA|OCHIKOCHINI|SAWAKINAKURAMU|TAMAHOKONO|MICHIOTADOHOMI|MATSUKAHIMO|YARUYOSHIMONASHI|OMOHOSHIKI|KOTOTSUTEYARAZU|KOFURUNISHI|KOKOROHAMOENU|TAMAKIHARU|INOCHIOSHIKEDO|SEMUSUBENO|TADOKIOSHIRANI|KAKUSHITEYA|ARASHIOSURANI|NAGEKIFUSERAMU

ローマ字読み|小文字

ohokimino|makenomanimani|masuraono|kokorofuriokoshi|ashihikino|yamasakakoete|amazakaru|hinanikudariki|ikidanimo|imadayasumezu|toshitsukimo|ikuramoaranuni|utsusemino|yonohitonareba|uchinabiki|tokonikoifushi|itakekushi|hinikenimasaru|tarachineno|hahanomikotono|ohobuneno|yukurayukurani|shitagohini|itsukamokomuto|matasuramu|kokorosabushiku|hashikiyoshi|tsumanomikotomo|akekureba|kadoniyoritachi|koromodeo|orikaheshitsutsu|yufusareba|tokochiharahi|nubatamano|kurokamishikite|itsushikato|nagekasuramuzo|imomosemo|wakakikodomoha|ochikochini|sawakinakuramu|tamahokono|michiotadohomi|matsukahimo|yaruyoshimonashi|omohoshiki|kototsuteyarazu|kofurunishi|kokorohamoenu|tamakiharu|inochioshikedo|semusubeno|tadokioshirani|kakushiteya|arashiosurani|nagekifuseramu

スポンサーリンク

左注|左註

右天平十九年春二月廿日越中國守之舘臥病悲傷聊作此歌

事項|分類・ジャンル

天平19年2月20日年紀|病気|枕詞|悲嘆|高岡|富山

校異

狂->枉【元】|歌【西】謌|津->都【元】【紀】【細】|婆->波【元】【紀】【細】|婆->波【元】【紀】【細】

寛永版本

おほきみの[寛],
まけのまにまに[寛],
ますらをの[寛],
こころふりおこし[寛],
あしひきの[寛],
やまさかこえて[寛],
あまざかる,[寛]あまさかる,
ひなにくだりき,[寛]ひなにくたりて,
いきだにも,[寛]いきたにも,
いまだやすめず,[寛]いまたやすめす,
としつきも[寛],
いくらもあらぬに[寛],
うつせみの[寛],
よのひとなれば,[寛]よいひとなれは,
うちなびき,[寛]うちなひき,
とこにこいふし[寛],
いたけくし[寛],
ひにけにまさる,[寛]ひにけにませは,
たらちねの[寛],
ははのみことの[寛],
おほぶねの,[寛]おほふねの,
ゆくらゆくらに[寛],
したごひに,[寛]したこひに,
いつかもこむと[寛],
またすらむ[寛],
こころさぶしく,[寛]こころさふしく,
はしきよし[寛],
つまのみことも[寛],
あけくれば,[寛]あけくれは,
かどによりたち,[寛]かとによりたち,
ころもでを,[寛]ころもてを,
をりかへしつつ[寛],
ゆふされば,[寛]ゆふされは,
とこうちはらひ[寛],
ぬばたまの,[寛]ぬはたまの,
くろかみしきて[寛],
いつしかと[寛],
なげかすらむぞ,[寛]なけかすらむそ,
いももせも[寛],
わかきこどもは,[寛]わかきこともは,
をちこちに[寛],
さわきなくらむ[寛],
たまほこの[寛],
みちをたどほみ,[寛]みちをたとほみ,
まつかひも[寛],
やるよしもなし[寛],
おもほしき[寛],
ことつてやらず,[寛]ことつてやらす,
こふるにし[寛],
こころはもえぬ[寛],
たまきはる[寛],
いのちをしけど,[寛]いのちをしけと,
せむすべの,[寛]せむすへの,
たどきをしらに,[寛]たときをしらに,
かくしてや[寛],
あらしをすらに[寛],
なげきふせらむ,[寛]なけきふせらむ,

巻数

第17巻

作者

大伴家持