万葉集3280番の原文、読み、作者、左注、事項をまとめます。
万葉集3280番について
歌番号
3280番
原文
<妾>背兒者|雖待来不益|天原|振左氣見者|黒玉之|夜毛深去来|左夜深而|荒風乃吹者|立<待留>|吾袖尓|零雪者|凍渡奴|今更|公来座哉|左奈葛|後毛相得|名草武類|心乎持而|<二>袖持|床打拂|卯管庭|君尓波不相|夢谷|相跡所見社|天之足夜<乎>
訓読
我が背子は|待てど来まさず|天の原|振り放け見れば|ぬばたまの|夜も更けにけり|さ夜更けて|あらしの吹けば|立ち待てる|我が衣手に|降る雪は|凍りわたりぬ|今さらに|君来まさめや|さな葛|後も逢はむと|慰むる|心を持ちて|ま袖もち|床うち掃ひ|うつつには|君には逢はず|夢にだに|逢ふと見えこそ|天の足り夜を
かな読み
わがせこは|まてどきまさず|あまのはら|ふりさけみれば|ぬばたまの|よもふけにけり|さよふけて|あらしのふけば|たちまてる|わがころもでに|ふるゆきは|こほりわたりぬ|いまさらに|きみきまさめや|さなかづら|のちもあはむと|なぐさむる|こころをもちて|まそでもち|とこうちはらひ|うつつには|きみにはあはず|いめにだに|あふとみえこそ|あめのたりよを
カタカナ読み
ワガセコハ|マテドキマサズ|アマノハラ|フリサケミレバ|ヌバタマノ|ヨモフケニケリ|サヨフケテ|アラシノフケバ|タチマテル|ワガコロモデニ|フルユキハ|コホリワタリヌ|イマサラニ|キミキマサメヤ|サナカヅラ|ノチモアハムト|ナグサムル|ココロヲモチテ|マソデモチ|トコウチハラヒ|ウツツニハ|キミニハアハズ|イメニダニ|アフトミエコソ|アメノタリヨヲ
ローマ字読み|大文字
WAGASEKOHA|MATEDOKIMASAZU|AMANOHARA|FURISAKEMIREBA|NUBATAMANO|YOMOFUKENIKERI|SAYOFUKETE|ARASHINOFUKEBA|TACHIMATERU|WAGAKOROMODENI|FURUYUKIHA|KOHORIWATARINU|IMASARANI|KIMIKIMASAMEYA|SANAKAZURA|NOCHIMOAHAMUTO|NAGUSAMURU|KOKOROMOCHITE|MASODEMOCHI|TOKOCHIHARAHI|UTSUTSUNIHA|KIMINIHAAHAZU|IMENIDANI|AFUTOMIEKOSO|AMENOTARIYO
ローマ字読み|小文字
wagasekoha|matedokimasazu|amanohara|furisakemireba|nubatamano|yomofukenikeri|sayofukete|arashinofukeba|tachimateru|wagakoromodeni|furuyukiha|kohoriwatarinu|imasarani|kimikimasameya|sanakazura|nochimoahamuto|nagusamuru|kokoromochite|masodemochi|tokochiharahi|utsutsuniha|kiminihaahazu|imenidani|afutomiekoso|amenotariyo
左注|左註
右四首
事項|分類・ジャンル
相聞|枕詞|女歌|恋情
校異
妄->妾【元】【天】【紀】|留待->待留【新校】|三->二(塙)|于->乎【元】【天】【類】
寛永版本
わがせこは,[寛]わかせこは,
まてどきまさず,[寛]まてときまさす,
あまのはら[寛],
ふりさけみれば,[寛]ふりさけみれは,
ぬばたまの,[寛]ぬはたまの,
よもふけにけり[寛],
さよふけて[寛],
あらしのふけば,[寛]あらしのふけは,
たちまてる,[寛]たちとまり,
わがころもでに,[寛]まつわかそてに,
ふるゆきは[寛],
こほりわたりぬ[寛],
いまさらに[寛],
きみきまさめや[寛],
さなかづら,[寛]さなかつら,
のちもあはむと[寛],
なぐさむる,[寛]なくさむる,
こころをもちて[寛],
まそでもち,[寛]みそてもて,
とこうちはらひ[寛],
うつつには[寛],
きみにはあはず,[寛]きみにはあはす,
いめにだに,[寛]ゆめにたに,
あふとみえこそ[寛],
あめのたりよを,[寛]あまのあしやに,
巻数
第13巻
作者
不詳