万葉集1800番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。
万葉集1800番について
歌番号
1800番
原文
小垣内之|麻矣引干|妹名根之|作服異六|白細乃|紐緒毛不解|一重結|帶矣三重結|<苦>伎尓|仕奉而|今谷裳|國尓退而|父妣毛|妻矣毛将見跡|思乍|徃祁牟君者|鳥鳴|東國能|恐耶|神之三坂尓|和霊乃|服寒等丹|烏玉乃|髪者乱而|邦問跡|國矣毛不告|家問跡|家矣毛不云|益荒夫乃|去能進尓|此間偃有
訓読
小垣内の|麻を引き干し|妹なねが|作り着せけむ|白栲の|紐をも解かず|一重結ふ|帯を三重結ひ|苦しきに|仕へ奉りて|今だにも|国に罷りて|父母も|妻をも見むと|思ひつつ|行きけむ君は|鶏が鳴く|東の国の|畏きや|神の御坂に|和妙の|衣寒らに|ぬばたまの|髪は乱れて|国問へど|国をも告らず|家問へど|家をも言はず|ますらをの|行きのまにまに|ここに臥やせる
かな読み
をかきつの|あさをひきほし|いもなねが|つくりきせけむ|しろたへの|ひもをもとかず|ひとへゆふ|おびをみへゆひ|くるしきに|つかへまつりて|いまだにも|くににまかりて|ちちははも|つまをもみむと|おもひつつ|ゆきけむきみは|とりがなく|あづまのくにの|かしこきや|かみのみさかに|にきたへの|ころもさむらに|ぬばたまの|かみはみだれて|くにとへど|くにをものらず|いへとへど|いへをもいはず|ますらをの|ゆきのまにまに|ここにこやせる
カタカナ読み
ヲカキツノ|アサヲヒキホシ|イモナネガ|ツクリキセケム|シロタヘノ|ヒモヲモトカズ|ヒトヘユフ|オビヲミヘユヒ|クルシキニ|ツカヘマツリテ|イマダニモ|クニニマカリテ|チチハハモ|ツマヲモミムト|オモヒツツ|ユキケムキミハ|トリガナク|アヅマノクニノ|カシコキヤ|カミノミサカニ|ニキタヘノ|コロモサムラニ|ヌバタマノ|カミハミダレテ|クニトヘド|クニヲモノラズ|イヘトヘド|イヘヲモイハズ|マスラヲノ|ユキノマニマニ|ココニコヤセル
ローマ字読み|大文字
OKAKITSUNO|ASAOHIKIHOSHI|IMONANEGA|TSUKURIKISEKEMU|SHIROTAHENO|HIMOMOTOKAZU|HITOHEYUFU|OBIOMIHEYUHI|KURUSHIKINI|TSUKAHEMATSURITE|IMADANIMO|KUNINIMAKARITE|CHICHIHAHAMO|TSUMAOMOMIMUTO|OMOHITSUTSU|YUKIKEMUKIMIHA|TORIGANAKU|AZUMANOKUNINO|KASHIKOKIYA|KAMINOMISAKANI|NIKITAHENO|KOROMOSAMURANI|NUBATAMANO|KAMIHAMIDARETE|KUNITOHEDO|KUNIOMONORAZU|IHETOHEDO|IHEOMOIHAZU|MASURAONO|YUKINOMANIMANI|KOKONIKOYASERU
ローマ字読み|小文字
okakitsuno|asaohikihoshi|imonanega|tsukurikisekemu|shirotaheno|himomotokazu|hitoheyufu|obiomiheyuhi|kurushikini|tsukahematsurite|imadanimo|kuninimakarite|chichihahamo|tsumaomomimuto|omohitsutsu|yukikemukimiha|toriganaku|azumanokunino|kashikokiya|kaminomisakani|nikitaheno|koromosamurani|nubatamano|kamihamidarete|kunitohedo|kuniomonorazu|ihetohedo|iheomoihazu|masuraono|yukinomanimani|kokonikoyaseru
左注|左註
右七首田邊福麻呂之歌集出
事項|分類・ジャンル
挽歌|行路死人|箱根|静岡|羈旅|鎮魂|地名|枕詞
校異
歌【西】謌【西(訂正)】歌|苦侍->苦【元】【藍】【類】【紀】
寛永版本
をかきつの,[寛]をかきうちの,
あさをひきほし[寛],
いもなねが,[寛]いもなねの,
つくりきせけむ[寛],
しろたへの[寛],
ひもをもとかず,[寛]ひもをもとかす,
ひとへゆふ[寛],
おびをみへゆひ,[寛]おひをみへゆひ,
くるしきに[寛],
つかへまつりて[寛],
いまだにも,[寛]いまたにも,
くににまかりて,[寛]くににかへりて,
ちちははも[寛],
つまをもみむと[寛],
おもひつつ[寛],
ゆきけむきみは[寛],
とりがなく,[寛]とりかなく,
あづまのくにの,[寛]あつまのくにの,
かしこきや,[寛]かしこみや,
かみのみさかに[寛],
にきたへの,[寛]にきたまの,
ころもさむらに,[寛]ころものむらに,
ぬばたまの,[寛]ぬはたまの,
かみはみだれて,[寛]かみはみたれて,
くにとへど,[寛]くにとへと,
くにをものらず,[寛]くにをもつけす,
いへとへど,[寛]いへとへと,
いへをもいはず,[寛]いへをもいはす,
ますらをの[寛],
ゆきのまにまに,[寛]ゆきのすすみに,
ここにこやせる,[寛]ここにふしたり,
巻数
第9巻
作者
田辺福麻呂歌集