万葉集619番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。
万葉集619番について
歌番号
619番
原文
押照|難波乃菅之|根毛許呂尓|君之聞四<手>|年深|長四云者|真十鏡|磨師情乎|縦手師|其日之極|浪之共|靡珠藻乃|云々|意者不持|大船乃|憑有時丹|千磐破|神哉将離|空蝉乃|人歟禁良武|通為|君毛不来座|玉梓之|使母不所見|成奴礼婆|痛毛為便無三|夜干玉乃|夜者須我良尓|赤羅引|日母至闇|雖嘆|知師乎無三|雖念|田付乎白二|幼婦常|言雲知久|手小童之|哭耳泣管|俳徊|君之使乎|待八兼手六
訓読
おしてる|難波の菅の|ねもころに|君が聞こして|年深く|長くし言へば|まそ鏡|磨ぎし心を|ゆるしてし|その日の極み|波の共|靡く玉藻の|かにかくに|心は持たず|大船の|頼める時に|ちはやぶる|神か離くらむ|うつせみの|人か障ふらむ|通はしし|君も来まさず|玉梓の|使も見えず|なりぬれば|いたもすべなみ|ぬばたまの|夜はすがらに|赤らひく|日も暮るるまで|嘆けども|験をなみ|思へども|たづきを知らに|たわや女と|言はくもしるく|たわらはの|音のみ泣きつつ|た廻り|君が使を|待ちやかねてむ
かな読み
おしてる|なにはのすげの|ねもころに|きみがきこして|としふかく|ながくしいへば|まそかがみ|とぎしこころを|ゆるしてし|そのひのきはみ|なみのむた|なびくたまもの|かにかくに|こころはもたず|おほぶねの|たのめるときに|ちはやぶる|かみかさくらむ|うつせみの|ひとかさふらむ|かよはしし|きみもきまさず|たまづさの|つかひもみえず|なりぬれば|いたもすべなみ|ぬばたまの|よるはすがらに|あからひく|ひもくるるまで|なげけども|しるしをなみ|おもへども|たづきをしらに|たわやめと|いはくもしるく|たわらはの|ねのみなきつつ|たもとほり|きみがつかひを|まちやかねてむ
カタカナ読み
オシテル|ナニハノスゲノ|ネモコロニ|キミガキコシテ|トシフカク|ナガクシイヘバ|マソカガミ|トギシココロヲ|ユルシテシ|ソノヒノキハミ|ナミノムタ|ナビクタマモノ|カニカクニ|ココロハモタズ|オホブネノ|タノメルトキニ|チハヤブル|カミカサクラム|ウツセミノ|ヒトカサフラム|カヨハシシ|キミモキマサズ|タマヅサノ|ツカヒモミエズ|ナリヌレバ|イタモスベナミ|ヌバタマノ|ヨルハスガラニ|アカラヒク|ヒモクルルマデ|ナゲケドモ|シルシヲナミ|オモヘドモ|タヅキヲシラニ|タワヤメト|イハクモシルク|タワラハノ|ネノミナキツツ|タモトホリ|キミガツカヒヲ|マチヤカネテム
ローマ字読み|大文字
OSHITERU|NANIHANOSUGENO|NEMOKORONI|KIMIGAKIKOSHITE|TOSHIFUKAKU|NAGAKUSHIIHEBA|MASOKAGAMI|TOGISHIKOKORO|YURUSHITESHI|SONOHINOKIHAMI|NAMINOMUTA|NABIKUTAMAMONO|KANIKAKUNI|KOKOROHAMOTAZU|OHOBUNENO|TANOMERUTOKINI|CHIHAYABURU|KAMIKASAKURAMU|UTSUSEMINO|HITOKASAFURAMU|KAYOHASHISHI|KIMIMOKIMASAZU|TAMAZUSANO|TSUKAHIMOMIEZU|NARINUREBA|ITAMOSUBENAMI|NUBATAMANO|YORUHASUGARANI|AKARAHIKU|HIMOKURURUMADE|NAGEKEDOMO|SHIRUSHIONAMI|OMOHEDOMO|TAZUKIOSHIRANI|TAWAYAMETO|IHAKUMOSHIRUKU|TAWARAHANO|NENOMINAKITSUTSU|TAMOTOHORI|KIMIGATSUKAHIO|MACHIYAKANETEMU
ローマ字読み|小文字
oshiteru|nanihanosugeno|nemokoroni|kimigakikoshite|toshifukaku|nagakushiiheba|masokagami|togishikokoro|yurushiteshi|sonohinokihami|naminomuta|nabikutamamono|kanikakuni|kokorohamotazu|ohobuneno|tanomerutokini|chihayaburu|kamikasakuramu|utsusemino|hitokasafuramu|kayohashishi|kimimokimasazu|tamazusano|tsukahimomiezu|narinureba|itamosubenami|nubatamano|yoruhasugarani|akarahiku|himokururumade|nagekedomo|shirushionami|omohedomo|tazukioshirani|tawayameto|ihakumoshiruku|tawarahano|nenominakitsutsu|tamotohori|kimigatsukahio|machiyakanetemu
左注|左註
特に無し
事項|分類・ジャンル
相聞|怨恨|恋情|挽歌的手法|枕詞
校異
歌【西】|乎->手【金】
寛永版本
おしてる[寛],
なにはのすげの,[寛]なにはのすけの,
ねもころに[寛],
きみがきこして,[寛]きみかききしを,
としふかく[寛],
ながくしいへば,[寛]なかくしいへは,
まそかがみ,[寛]まそかかみ,
とぎしこころを,[寛]ときしこころを,
ゆるしてし[寛],
そのひのきはみ[寛],
なみのむた[寛],
なびくたまもの,[寛]なひくたまもの,
かにかくに,[寛]とにかくに,
こころはもたず,[寛]こころはもたす,
おほぶねの,[寛]おほふねの,
たのめるときに[寛],
ちはやぶる,[寛]ちはやふる,
かみかさくらむ,[寛]かみやかれなむ,
うつせみの[寛],
ひとかさふらむ,[寛]ひとかいむらむ,
かよはしし,[寛]かよひせし,
きみもきまさず,[寛]きみもきまさす,
たまづさの,[寛]たまつさの,
つかひもみえず,[寛]つかひもみえす,
なりぬれば,[寛]なりぬれは,
いたもすべなみ,[寛]いともすへなみ,
ぬばたまの,[寛]ぬはたまの,
よるはすがらに,[寛]よるはすからに,
あからひく[寛],
ひもくるるまで,[寛]ひもくるるまて,
なげけども,[寛]なけけとも,
しるしをなみ,[寛]しるしをなしみ,
おもへども,[寛]おもへとも,
たづきをしらに,[寛]たつきをしらに,
たわやめと,[寛]たをやめと,
いはくもしるく[寛],
たわらはの,[寛]わらはの,
ねのみなきつつ,[寛]ねのみなくつつ,
たもとほり,[寛]たちとまり,
きみがつかひを,[寛]きみかつかひを,
まちやかねてむ[寛],
巻数
第4巻
作者
坂上郎女