万葉集543番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。
万葉集543番について
歌番号
543番
原文
天皇之|行幸乃随意|物部乃|八十伴雄与|出去之|愛夫者|天翔哉|軽路従|玉田次|畝火乎見管|麻裳吉|木道尓入立|真土山|越良武公者|黄葉乃|散飛見乍|親|吾者不念|草枕|客乎便宜常|思乍|公将有跡|安蘇々二破|且者雖知|之加須我仁|黙然得不在者|吾背子之|徃乃萬々|将追跡者|千遍雖念|手<弱>女|吾身之有者|道守之|将問答乎|言将遣|為便乎不知跡|立而爪衝
訓読
大君の|行幸のまにま|もののふの|八十伴の男と|出で行きし|愛し夫は|天飛ぶや|軽の路より|玉たすき|畝傍を見つつ|あさもよし|紀路に入り立ち|真土山|越ゆらむ君は|黄葉の|散り飛ぶ見つつ|にきびにし|我れは思はず|草枕|旅をよろしと|思ひつつ|君はあらむと|あそそには|かつは知れども|しかすがに|黙もえあらねば|我が背子が|行きのまにまに|追はむとは|千たび思へど|手弱女の|我が身にしあれば|道守の|問はむ答へを|言ひやらむ|すべを知らにと|立ちてつまづく
かな読み
おほきみの|みゆきのまにま|もののふの|やそとものをと|いでゆきし|うるはしづまは|あまとぶや|かるのみちより|たまたすき|うねびをみつつ|あさもよし|きぢにいりたち|まつちやま|こゆらむきみは|もみちばの|ちりとぶみつつ|にきびにし|われはおもはず|くさまくら|たびをよろしと|おもひつつ|きみはあらむと|あそそには|かつはしれども|しかすがに|もだもえあらねば|わがせこが|ゆきのまにまに|おはむとは|ちたびおもへど|たわやめの|わがみにしあれば|みちもりの|とはむこたへを|いひやらむ|すべをしらにと|たちてつまづく
カタカナ読み
オホキミノ|ミユキノマニマ|モノノフノ|ヤソトモノヲト|イデユキシ|ウルハシヅマハ|アマトブヤ|カルノミチヨリ|タマタスキ|ウネビヲミツツ|アサモヨシ|キヂニイリタチ|マツチヤマ|コユラムキミハ|モミチバノ|チリトブミツツ|ニキビニシ|ワレハオモハズ|クサマクラ|タビヲヨロシト|オモヒツツ|キミハアラムト|アソソニハ|カツハシレドモ|シカスガニ|モダモエアラネバ|ワガセコガ|ユキノマニマニ|オハムトハ|チタビオモヘド|タワヤメノ|ワガミニシアレバ|ミチモリノ|トハムコタヘヲ|イヒヤラム|スベヲシラニト|タチテツマヅク
ローマ字読み|大文字
OHOKIMINO|MIYUKINOMANIMA|MONONOFUNO|YASOTOMONOTO|IDEYUKISHI|URUHASHIZUMAHA|AMATOBUYA|KARUNOMICHIYORI|TAMATASUKI|UNEBIOMITSUTSU|ASAMOYOSHI|KIJINIIRITACHI|MATSUCHIYAMA|KOYURAMUKIMIHA|MOMICHIBANO|CHIRITOBUMITSUTSU|NIKIBINISHI|WAREHAOMOHAZU|KUSAMAKURA|TABIOYOROSHITO|OMOHITSUTSU|KIMIHAARAMUTO|ASOSONIHA|KATSUHASHIREDOMO|SHIKASUGANI|MODAMOEARANEBA|WAGASEKOGA|YUKINOMANIMANI|OHAMUTOHA|CHITABIOMOHEDO|TAWAYAMENO|WAGAMINISHIAREBA|MICHIMORINO|TOHAMUKOTAHEO|IHIYARAMU|SUBEOSHIRANITO|TACHITETSUMAZUKU
ローマ字読み|小文字
ohokimino|miyukinomanima|mononofuno|yasotomonoto|ideyukishi|uruhashizumaha|amatobuya|karunomichiyori|tamatasuki|unebiomitsutsu|asamoyoshi|kijiniiritachi|matsuchiyama|koyuramukimiha|momichibano|chiritobumitsutsu|nikibinishi|warehaomohazu|kusamakura|tabioyoroshito|omohitsutsu|kimihaaramuto|asosoniha|katsuhashiredomo|shikasugani|modamoearaneba|wagasekoga|yukinomanimani|ohamutoha|chitabiomohedo|tawayameno|wagaminishiareba|michimorino|tohamukotaheo|ihiyaramu|subeoshiranito|tachitetsumazuku
左注|左註
特に無し
事項|分類・ジャンル
相聞|代作|行幸|紀伊|妻|都|羈旅|枕詞|地名|神亀1年10月年紀
校異
笠朝臣金村作歌->作歌【桂】【元】|->笠朝臣金村【桂】【元】|嫋->弱【桂】【元】【類】【紀】
寛永版本
おほきみの,[寛]すめろきの,
みゆきのまにま,[寛]みゆきのままに,
もののふの[寛],
やそとものをと[寛],
いでゆきし,[寛]いてゆきし,
うるはしづまは,[寛]うつくしつまは,
あまとぶや,[寛]あまとふや,
かるのみちより[寛],
たまたすき[寛],
うねびをみつつ,[寛]うねひをみつつ,
あさもよし,[寛]あさもよい,
きぢにいりたち,[寛]きちにいりたち,
まつちやま[寛],
こゆらむきみは[寛],
もみちばの,[寛]もみちはの,
ちりとぶみつつ,[寛]ちりとふみつつ,
にきびにし,[寛]むつましき,
われはおもはず,[寛]われをはおもはし,
くさまくら[寛],
たびをよろしと,[寛]たひをたよりと,
おもひつつ[寛],
きみはあらむと[寛],
あそそには[寛],
かつはしれども,[寛]かつはしれとも,
しかすがに,[寛]しかすかに,
もだもえあらねば,[寛]もたえあらねは,
わがせこが,[寛]われせこか,
ゆきのまにまに[寛],
おはむとは[寛],
ちたびおもへど,[寛]ちたひおもへと,
たわやめの,[寛]たをやめの,
わがみにしあれば,[寛]わかみにしあれは,
みちもりの[寛],
とはむこたへを[寛],
いひやらむ[寛],
すべをしらにと,[寛]すへをしらすと,
たちてつまづく,[寛]たちてつまつく,
巻数
第4巻
作者
笠金村